Works店長の作業日記

2017年6月25日

オーバーホール


2013年春からご愛用のLOOK566をオーバーホールというご依頼をいただきました。MAKINO(マキノ)スチールロードと併用されていますので今回が初オーバーホールです。でも実は最初はオーバーホールのご依頼ではなく、エルゴパワー/右レバーの作動不良を修理してほしい、というお問い合わせでした。エルゴパワーの修理はメインユニットの交換作業になります。この場合のユニットとはブレーキレバー、ブラケットカバー、取付バンド以外です。今回はブラケットカバーもかなりすり減っていましたので結果的にブレーキレバーと取付バンド以外は新品です。メインユニットは左右別に販売されています。今回のATHENA(2013)は7,862円(右のみ)でした。ブラケットカバーは左右セット販売でこのタイプは3,308円でした。この交換作業はケーブル(ブレーキ、シフト)やバーテープを外さねばなりませんし、それらを再利用は出来かねます。ケーブルやバーテープを交換することになるのならこの機会にオーバーホールとなりました。
カンパニョーロジャパンが設立されて以来このような補修パーツの供給も比較的スムースになり助かっています。ただ、例えば同じATHENAのエルゴパワーユニットでも年式により品番が違う場合があります。当店で販売しましたものは記録を残していますのでまず大丈夫です。
オーバーホールはまずコンポーネントをフレームから外します。各パーツをクリーニングしコンディションを確認します。確認しますと申しましても、例えばカセットスプロケットが交換時期かどうかを見て判断するというのはむつかしい。しかし、きれいな状態で点検しますとパーツによってはクラックを発見できることもあります。ブレーキキャリパーの作動状態なども泥汚れがついていますとそれが原因で作動状態がわるいのかリターンスプリングがへたっているのか判断できます。なによりきれいなことはいいことです。
リムのブレーキシュー当たり面は専用品で研磨します。ブレーキシューはまだ使えそうなのでWAKO’Sのフォーミングマルチクリーナーで汚れをおとしておきます。
このLOOKのオーナーは雨天走行が少ないのかもしれません。けっこう走っておられるはずですが、ハブ内部の汚れはさほどでもありません。しかしグリスも経年変化しまして徐々に潤滑効果は落ちますのでメンテナンスは必要です。
各部品の調子を整えて組み立てます。機械的コンディションはほぼ新車状態と言えます。
ところで、この方は後輪はカンパニョーロ シャマルで前輪はリムにDT RR440を使った手組ホイールをご使用です。最初は前後ともシャマルをご使用でしたが「どうも峠の下りで前輪がはねるように思うので試しに前輪だけ手組ホイールにしてみる」ということで以後気に入っていただいてご使用です。リアディレイラーにビッグプーリーをご使用で、この方は「ペダリングが軽くなったように感じる」とおっしゃっています。
オーバーホール基本工賃は28,000円です。基本工賃、交換パーツ代金、消費税の合計になります。通常2週間ほどのお預かりですが毎日通勤に使っているので…、というような場合は事前段取りを整えて出来るだけ少ないお預かりで仕上げます。よろしくお願い申し上げます。

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